アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

新しい場所を探して

新しい場所の風景

出店候補地の物件へ日帰りで行って来た。今後の移動頻度を考慮して、今回から僕は深夜バスでの移動となる。十数年ぶりの深夜バスは快適だった。寝ている間に移動してくれる方が、僕にはありがたい。飛行機>>深夜バス>>新幹線という順位が決まった。やはり飛行機が一番楽かも知れない。出店に際してほぼ80%が決まっている。あとの20%の内、大人の事情が10%、残り10%はある人の下す結論だ。その結論を聞きたくてここまで来た。

朝7:30に新宿に到着後、すぐに物件のある場所まで移動。待ち合わせまでまだ2時間以上あるので物件周辺を散策する。20年ぐらい前に一回降りたかどうかという駅で、昔はもっとカオスだった駅の周辺もなんとなく新しくなっている。やはりチェーン店が多い。どこもこうなっていくのかな。路地がたくさんある町は楽しい。でも、ここも昔はもっとたくさんの人の温度が感じられた気がする。日曜日の朝ということもあり、飲んだまま夜を明かした労働者風情がそこらかしこにいて、なんだか昔の新宿-大久保の様相も垣間みれる。

いままで候補にもなっていなかったこの土地が最終的に出店場所に決まったのは、なんとなく始まるにはちょうどいい感じがしたからかもしれない。周辺の住宅事情も考えると、母が住み、ワイフが住み、やがていろいろな生活がここから始まると考えやすい状況が揃っている気がした。ものすごく自然に日常の風景が浮かぶ。大家さんもいい人だし、建物もすばらしい設えだし、見る前から問題点が見つからない。実際に来てみると、町並みも物件も何一つ問題点が無い。僕の役割はこの状況下で「あら探し」を徹底的にやっていくことだと思う。

工事前の現場写真

僕が勝手にアニキと慕っているアニキが物件内部の採寸を始める。80%決まっている出店の残り10%を左右するのはアニキの言葉だ。今まで何度も相談して来たがことごとく反対された。僕は基本的に他人の言うことは聞かないが、この人の言うことは聞くようにしている。そうした方が良いと神様が僕に教えてくれた。どんなに良い場所でも、どんなに条件が良くても、反対されたら出店は取りやめようと決めていた。僕はドキドキしながら言葉を待つ。

打ち合わせ後に食べたオムカレー

「いままでの物件に比べたら現実的なんじゃないかな」

打ち合わせをしながら近くのカフェでランチ。いろいろと話をしながらアニキは言ってくれた。僕もそう思う。決して絶対的に流行る立地なわけではなく、かといってものすごく不利な物件でもない。費用的にも現実に即した物件だという評価をいただいた。これからが大変だ。もう、後戻りができない。あと10%の大人の事情をクリアして、3月には営業開始しなければいけない。どうなるのだろうか。僕も誰にも分からない。しかし、すべての決定は僕がしなければいけない。神戸などのパンの聖地以外から首都圏にパン屋が出店する初の試みを、僕が自分でやることになる。成功の確率は50:50。でも、僕以外の誰もが100%成功すると思っている。すごいプレッシャーがかかる。久しぶりにドキドキしてきた。