アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

闇に葬られたパンたち

ロッゲンミッシュブロート

闇に葬られたパンたちシリーズ。久々に焼いたのでご紹介。名前はロッゲッンミッシュブロート。全配合の約90%がライ麦で占められていて、ナショナルデパートの他のドイツパンと同じようにライ麦からおこしたサワー種という酵母を使って発酵させている。ライ麦100%はプンパニッケルしか焼かないので、あえて全量90%未満に抑えて配合している。僕は極薄にスライスしてしゃぶるように食べるが、別にどうやって食べたって良いんじゃないかな。ほとんど膨らませないで焼くので中は詰まった感じでメイラード反応を若干起こしかけているから少しねっとりとしている。水和はあまりさせず、つながないで焼くのが僕の流儀。噛むとネトついた食感が歯の裏に残るが、スパークリングウォーターとかで流し込めば、口の中でほろほろと崩れるように溶けるのがいいんだ。

さらなる美しさをを求めてドイツパンの割れ目に挑む

こいつはもう何年も焼いてない気がするな。ちょうどやる気を失っていた頃にドイツパンを焼くのをスッパリやめてしまったことがある。あの頃はとにかくバカにされていて「あんなのはパンじゃない」とか「酸っぱい!腐ってるぞこのパン!」だの言いたい放題に言われていた。よく成功したパン屋がインタビューとかで「昔は売れなくてパンを捨ててましたよ~」なんて言っているが、そう言う人の多くは今は菓子パンばかり焼いていたりする。僕は菓子パンが焼けない。焼きたくないのではなくて焼き方を知らないんだ。だから菓子パンやサンドイッチに逃げることができなかった。ドイツパンがまったく売れない時、かろうじて四季のカンパーニュを開発した。ドイツパンから逃げたところで行き着いた先はカンパーニュというなんと狭いことか。。。

ロッゲンミッシュブロートは美しいから好きだ。胴の丸みがこね上げたときとあまり変わらず詰まった印象を与え、窯の中でやっと膨張する気配が見えてきても頂点が少し割れるだけ。この割れ目がこのパンの面白さだ。1kgの生地で割れるのはほんのこれだけ。地割れをおこしたようなその肌はラントブロートのように艶はなく、土や樹の肌のような感じに仕上がる。最高だな。俺パン焼くの上手かも知れない。。。

ただこれは新人君では焼けないので、僕が岡山にいるときだけ焼くことになると思う。あったらラッキーぐらいに思っといてね。予約は岡山に電話してくれ。気が向いたら焼くよ。。。