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アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

絵本が描けました。

絵本が刷り上がったのでいつものようにスタバで眺めている。

今回で第十一作目なのか。2006年に初めて絵本を描いてから五年近く続けているんだなあなんてちょっと自分でも驚いている。できたよ~ってワイフに見せるのもいつもと同じ、できたよ~ってスタッフに見せるのもいつもと同じ、こうやってスタバで見ているのもいつもと同じ。いつも違うのは絵本の内容だけなのかな。ずっとこうやっている気がする。お金はいつも大変だ。ワイフは今日も支払い催促とにらめっこしている。

色はちゃんと出ているかな、文字間違っていないかな?とか言いながら眺める。ひたすら眺める。アイスコーヒーの氷が溶けてコーヒーがマズくなっているけどただひたすらに絵本をペラペラとめくっている。で、ニンマリしている。

いつも絵本のことばかり考えているわけじゃない。ひとつ描くのにだいたい三日、年に二つ描けばいいほうだから年間でも一週間も時間を割いていない。なのに絵本は僕の中でものすごく大切な何かになっていた。いままでしてきた何とも違う。作業でも仕事でもない何かなんだけどちゃんとした言葉で表現できない。でも何かが心の中に“ほわん”とある。

ここ二年ばかし前から身近な人にはちょこちょこ言っていたんだけど、僕は絵本を描いて生きていこうと思っている。絵本で食う、とか絵本を本業にするとかそういうことではなくて、いままでいろいろやってきた中で一番しっくりくるのが絵本だったというだけなんだけどね。今までいろいろ無理したりしてきたけど、不自然な体勢のプレイを要求される売春婦のようにしていても心が平穏でいられない。言われたことをやってご褒美をもらう仕事の仕方から解放してあげたい。自分自身を。

今回の絵本を描く機会を与えてくれた人がいる。僕の思いを成就させる為にその人に無理なお願いをしている。うまくいけばより多くの人がきっかけを得られるようになるだろうし、今まで狭いと思っていた世界が少し広がっていくかも知れない。今回、絵本は新しい世界への扉を開く鍵として機能する。まだ誰もやっていないことをするのが僕の役割だし、それを形にして世の中に送り出していくのがナショナルデパートのミッションなわけだしね。ただ絵本を描くのが好きだからではない、僕は僕の思い描く未来の一部分になるために絵本を描くということを選択しただけなんだ。絵本を描いていてもそこだけはゆずれない。それが僕なりの社会とのつながり方かも知れない。