アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

育ったな。

まあ、いろいろな人が今までウチでパンを焼いてきたわけだけど、決定的なラインを超えるにはやっぱり何ヶ月か、人によっては何年かかかるわけで、ああウマいね、今日はウマくいったね、とかそういう声かけは毎日のようにしているんだけど、ある瞬間の決定的なラインを超えたときに思わず「上手!」(じょうず)と言ってしまうことがあって、その瞬間がその人にとってナショナルデパートのパン焼きの体得タイミングみたいなものになっている。

マグレで一回ぐらいは上手に焼けると言われるかも知れないけど、マグレも実力の内であってその人が今まで時間を費やして習得してきたパン焼きの何かがソコで弾けてもっと開けたステージに上がるんだなあとかね。そう思うの。一つの基準がその人その人に芽生えてきてそれがあると無いとでは大違いでね、そこまでくると次の製造からツーカーで作業ができるようになる。細けえこたあいいんだよ的な何か面白い感じの仕事の進め方が待っている気がするね。

時間がかかったけどゆきちゃんのときも決定的なラインを超えた時に「上手!」と言った覚えがある。そう考えると懐かしいねえなんて。で、今日、ちはるちゃんがそのラインを超えたので思わず「上手!」と声が出た。これでナショナルデパートに職人が二人揃ったわけだ。始めての状況かも知れないね。僕が育てたわけでなくて、みんな勝手に育っていく。教えることなんて何にもありゃしない。やっていくうちにみんな僕より上手くなる。それが僕の言う「上手」ということなのだろうな。

最近なんだかもっと育ってくれたらなあなんて思うようになってきた。そろそろ僕も社内転職を考えているのでパンを誰かに引き継いでいきたいと思うようになった。最近はよく売れるようになってきたし、美味しいという声もよく聞こえてくるようになってきた。僕のパンの仕事もここまでかな。とかね。育ったことも嬉しいけど、教えられるようになったという自分の成長が嬉しいなんて言ったらおこがましくて恐縮してしまいます。そろそろスタッフを増やしていこうかと思うようになったね。

まあ、ちはるちゃんもよく育ったな。おめでとう。

これからもよろしく。