アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

心のトゲ

まあ、またこんな忙しい時にブログなんぞ書いているわけです。

1時間ぐらいで書きますので仕事に支障はございません。

仕事をしているとやはりその業界の常識というものが出てきましてね、なんとなくその流れに沿って仕事をしているものですから、みんなだんだん考えないようになっていくんですよ。これはどの業界にも言えることだと思うんです。いつの時代も新しい“扉を開ける人”と誰かが開けた“扉をくぐる人”がいてですね、パイの大きい業界となれば扉を“くぐる”人の数がものすごい膨大になって、そこでまたくぐる人たちがその業界の常識を作っていくわけです。

僕も今の仕事をするまではいくつかの仕事を経ているわけですが、他人より早く新しいことをやった方が実入りが良いということが多かった環境ですから、まあ何て言うんですか新しい物好きの僕に良く合っていたわけですね。お客さんのために自分がテクニックを考えて自分の仕事に自分で値段を決められたわけです。パン屋をやるまでに関わった業種はすべてBtoBオンリーだったので、パン屋を始めて価格決定権がお客様に有るという環境にもまだ慣れていない感じです。

前職をやっていた15年くらい前はその業界の黎明期だったので基準なんて物は無くてフリーランスでもウマくいけば大きい仕事に滑り込んだりできたものです。みんなであたらしく常識を作っていくという感じがしましたね。まだ僕も20代前半でしたし。同年代の年収を1ヶ月で稼ぐとかそういう感じも面白かったです。ですが何年かやっていると基準という物ができてくるわけです。常識と言っても良いかも知れません。業界の常識というのは値段表がきっちりできているということかもしれないなと今は思いますね。

で、常識という物が整備されてくるとものすごく居心地が悪くなるわけです。居場所が無いというか、どうしたらいいのか分からなくなるんですよね。そのまま自由にやって廃れていくかこっちの仲間に入って食い扶持を維持するのか、という選択を迫られるわけです。で、だいたいそうなると僕はそこから身を引くようになるわけです。要領が悪いので仕事と人生や考え方を切り離せないんですよ。困ったものです。

で、いろいろ浮き草のように流れてきて今まで様々な仕事をソツなくこなしてきた中で、唯一うまくいかないのが今のパン屋という仕事なわけです。でまあみんな知っているかもしれないですけどここ10年くらい結構トゲトゲしてます。結婚してトゲが少し丸くはなりましたが、でもやはり何かこうイガイガが残っている感じはします。割と今までは黎明期の商売を渡り歩いてきたので自分の新しいスタイルを出しても良かったわけです。が、パン屋さんは結構コンサバなので最初は面食らってしまいました。隅の隅まで業界の常識が完成している超保守派な印象を受けました。

僕は決められた範囲内でウマく立ち回ることができない不完全な大人なので、それでもそういった空気に抗っていこうと頑張ってはみるものの、常識が固まっている上にほぼ革新の前例が無いので道しるべすら無いわけです。これにはさすがに参りました。なので思いついたことを片っ端からやる他に無かったわけです。本当にこれでいいのか、本当にうまくいくのか、とかドキドキしながら売上の数カ月分をブチ込んで失敗したりとか、そういうのを10年近く続けてきたわけです。要領が良ければもっとうまく抜け出せたのかもしれないですけどね。

今もいくつかの仕事が同時に進んでいますが、どれも厚さ1mのコンクリートの壁を針でつついて崩すような感じです。なんでそんなことするの?と言われればそれまでのことを必死でやっています。もういい歳のオッサンなんですが。自分の仕事は泡沫のごとく消えていくものを大量に作っているだけに過ぎないかも知れないです。でも、この歳になってやっとそういった“意味の無いもの”言い換えれば“自分で価値をつける”可能性のある仕事をやらせていただけるというのはある意味では本意なのかもと思ったりします。

心のトゲも結構ケアが大変なんですが、トゲを収めて無理をして病気になるよりは、このまま許される限り自分の仕事をやらせてもらってもいいのかなと左様に考えております。たまに暴言も吐きますが、それは小物の遠吠えでございますので賢明な皆様に置かれましては一笑に付していただければと思う次第でございます。まあ、簡単に言うと、いろいろ言動に問題がありますがみんなゴメリンコ!許してね(ゝω・)vキャピということだと思います。