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アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

懐柔されているうちはまだまだ、嫉妬されて敬遠されてやっと本物なのではないでしょうか。

アイデアのスープ

すげえ眠いのですが、未来ある若者たちへの熱いメッセージです。

ウソです。

若い時に大きな仕事がくると「俺ってもしかしてすごいのかも」と思うものですが、実は若い時こそ大きな話は来やすいものでして、それは事によりけりでさまざま理由は異なりますが、多くの場合は単価が安いというのが大きいですね。いやいやウチは他と比べれば高いですよと言う人も多いのですが、大手に比べたらそりゃあいろいろ安いものでございます。高く取っているつもりでも、実は他所はめっさめっさに盛っていて、そりゃあゴキゲンなオフィスも構えられるわということもよくあることです。

若い時にどれくらい稼げるかという話をどこかでしたのですが、フリーランスで個人とかの規模だと20代が一番稼げるのではないかと思ったりします。まあこれは業種にもよりますがね。単価が安いので仕事が集まって来やすいのです。安い単価でも積み重なるとスゴい額になります。20代で1,000万超えるだけで有頂天ですが、2,000万ぐらいいっちゃうともう世界が変わります。それはもう本当に。

で、30代になった頃にナショナルブランドを擁する企業からのオファーが舞い込み始めます。最初は代理店経由でしょうが、これがプロジェクトごとに組み込まれていくようになり、クリエイティブエージェンシーからの仕事とかになると名前も出してもらえるようになるし、もう業界でも噂が立ち始める感じです。ここらへんで肩で風を切るようになります。

まあ、そんなにうまくいくのなんてごく一部なんですが。若いうちに懐柔されてそのまま小間使いのようになってしまう場合も多くありますね。先述の「俺ってもしかしてすごいのかも」を感じた20代から抜け切れないでいる場合に多くありますが、これが自分にとってのチャンスではなく単にオトナや組織に懐柔されていたのだと知るときにはもう遅すぎるのですがね。

若い時のチャンスというのはゴロゴロ転がっています。本当にいくらでもあります。時勢を読むセンスさえ持っていればなんとなく同世代よりも良い生活を送れますし街でちょっといい顔もできるでしょう。ただ若い時に下積みをしていない人がほとんど陥る「アイデアの枯渇」というのがあります。アイデアの枯渇は人や企業としての商品価値を著しく下げてしまいます。いままで集まってきていた仕事も潮が引くようにどこかに消えていきます。これは寂しいものです。

アイデアとは若さなんですよ。人から仕事をもらってお金を稼ぐためにアイデアを成果物に加工して他人に手渡すわけです。若い人を懐柔することによって利益を出す人が多くいます。もしかしたらほとんどそうかもしれません。大きな企業の仕事が舞い込んできたらみんな嬉しいと思います。過去には僕もそうでした。認められた気分に浸れます。

まあいろいろ周囲を見回していて思うのは、若いうちのある程度の成功はけっこう簡単なのですが、若さの時期を過ぎた後にどうしていくかでつまずく人が多くいます。経験の少ない若い自分にどうしてこんな良い仕事がくるのか、その本当の理由を考えるのは時間のムダではないともいます。仕事の振り出し元にとってメリットが無ければそうそう経験のない無名な若い人に仕事をさせるということはありません。そのメリットが何なのか見極めるのも大切な仕事です。若さが理由で懐柔されているうちはまだまだで、嫉妬されて敬遠されてやっと本物なのではないでしょうか。お金をくれるのは誰なのか、そこを見失うと年をとってから苦労しそうです。前にも書いた「よく切れる刃物とそれを収める鞘」を持っておくのは若い時の備えなのではないかと、僕はそう思います。