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アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

僕の口癖は「ゆきちゃん、新しい時代が始まるね」です。

アイデアのスープ

渋谷ヒカリエで開催されたヴァンナチュール(自然派ワイン)の最大級のイベント「フェスティヴァン」でお披露目された肉の味のするパン「肉のグランパーニュ」。離れたとこから見ると生ハムにしか見えないというフォルムや食味の再現性に驚きの声が上がりました。おかげさまで用意した3本すべて完売。ありがとうございます。

まあね、いい年こいて夢見るおじさんなわけですが、僕はいつも新しい時代が始まるのではないかという予感の中で仕事をしています。何か新しいものを作っては、それをゆきちゃんに見せて「ゆきちゃん、これ、新しい時代が始まっちゃうよね」というのがいつもの岡山工場の光景です。

リセッションが進んでいく今の社会では新しいものは不必要なものなのですが、僕がナショナルデパートって言うのを始めたきっかけが国産の新文化っぽい製品を作って広く売ろうというものなので、その目標が達成されるまではひたすらに新しいものを作っては世の中に提案して拒否られるというのを繰り返して行くしか無いわけです。

若い人から見たら僕のやっていることは「うまいことやっている」のでは無いので格好悪く見られますが、格好いいか悪いかはファッションや持ち物のセンスの良さでなくても、自分の作ったもののセンスで勝負してもいいと思うんですよね。

ユニットを組んだり群れるのが若い人の中で流行ってますが、新しい時代はどうしようもない孤独の中でコツコツさみしく積み上げていくものでございます。まあそもそも何の系譜にも乗っていないのでミモフタもない結果になることが多くございますが、新しい時代は独善的でワガママな意思の中で胎動し始めるわけです。

新しいことは古い何かを壊してバランスを崩して行く楔(くさび)だと思っていますので、時代や社会に触れる表面積は小さい方がより深く食い込めると思ってます。

何かを作っては「いやいや、新しい時代が始まっちゃうよ、ゆきちゃん」と言い、それに「そうですね、社長さん、始まりますね」といつものように応えてくれるゆきちゃん。

今度こそ、今度こそ、そういいながら、新しい時代のピースを作っているわけでございます。楽しい仕事です。