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アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

「世の中のあたりまえ」は「お土産業界の非常識」

アイデアのスープ

ももたん クリスマスケーキ味 かがみもち味

楽しいクリスマスの休日は過ごせましたか?

ももたんクリスマスケーキ味、絶好調です。製造分が全部さばけそうです。ありがとうございます。

ももたんもやっとシーゾナル商品展開のサイクルに追いつき始めました。年末から発売する『ももたん』はなんと鏡餅味です。どんなフレーバーなんでしょうか楽しみですっていうか、あいかわらず印刷先行なので中身の試作もままならない状況です。でもいつもちゃんと仕上げるので今回も大丈夫でしょう。

さて、タイトルにもあるように「世の中のあたりまえ」は「お土産業界の非常識」というくだりについて。お土産業界というのはひとつヒットをつくれば代々食っていけるという、フィックスインカムを一本釣りする業態なんですね。だから昔々にヒットを出した事業者が残り続け、延々と同じ商品を作り続けるというイノベーションという言葉の対極にあるような業界です。

岡山で言うと「きびだんご」でしょうか。十社以上のメーカーが「きびだんご」を作っています。その中でも差別化して認識できるのは一つか二つぐらいでしょうか。パッケージを工夫したり、フレーバーを変えたりといろいろ試行錯誤されているようですが、しょせん「きびだんご」というフォーマットの中でいんぐりもんぐりしてる程度です。まあ、これが熱意のある創業者のいない業界の特徴とも言えますが。

『ももたん』はグランパーニュと同じように、商品作りというよりもブランドや商品のフォーマット開発のひとつと位置づけていますので、一つの商品をヒットさせて楽をしようと言うような考えではありません。フォーマットとはひな形のようなものなので、ここに何を上書きしていくかでコンテンツがいかなる形にも変容していくという可変型ブランドとでも言えますね。

で、可変なブランドで何をしようかというと、これは後で発表しますが、世の中のすべての事象をインデックスして広域型の展開を可能にする新しいお土産の在り方を作ろうとしている訳です。その一つとして今回の「クリスマスケーキ味」や年末に発売する鏡餅味があるわけです。なーんだ、単なるアレンジじゃん。というなかれ、お菓子の内容は組成レベルで違っています。ただ乗っけるフォーマットが『ももたん』なだけで、それぞれは独立したブランド足り得るわけです。

タイトルの「世の中のあたりまえ」について、これは日本独自文化とも言える特殊なシーゾナル展開商品群の事を指します。コンビニなんかに行くと、行くたびに新商品が並んでますね。メーカー品なんかは特に季節によって短いスパンで新商品を投入します。だから今の日本で季節感を味わいたいならコンビニに行けば事足りるという現象が静かに起こっている訳です。チョコレート菓子、アイスクリーム、清涼飲料水、さまざまなカテゴリーでこの季節商品化が起こっています。

僕はこの多彩な商品を見にコンビニに行くのが楽しみです。行くたびに新たな発見があり、もし、代わり映えしなければ何も買わずに帰る事もあります。日本人にとって季節が変わるというのをカタチにする事はすごく訴求力があるという事だと思います。

かわって「お土産業界の常識」について、これは先に書いた「ヒットが出たら同じ物を作り続ける」ということになります。この業界はちょっと売れたり、家族や従業員が食えて、社長がJCやロータリークラブの役員にでもなれて、中途半端なメルセデスでも乗り始めたら、延々と代々引き継ぎながら同じ商品をバカの一つ覚えのように作り続けます。売場もまた変化を好まない傾向があるのでこれを受け入れて数十年かけて異常なほどにコンサバティブなマーケットを形成してきたわけですね。

「世の中のあたりまえ」というのは身近な例で言うとコンビニの商品ショートスパンの展開に見られるように、日本の季節や歳時や行事にともなって流れていくシーゾナル商品となります。これは「お土産業界の常識」に反します。お土産とは言い換えれば定番の事を指します。でも、駅や空港やサービスエリアから一歩外に出ると、さまざまな季節商品が雪崩を打って棚を埋め尽くしています。

『ももたん』はおみやげ売場に季節や歳時や行事を持ち込みます。今までの有形のものとのコラボレーションだけではなく無形の文化とのコラボレーションも試みるわけです。もし、岡山に複数回来る用事があったとき、来るたびに目新しいものがあればそれだけで楽しい。定番も良いけど、季節を体現したパッケージやフレーバーがあれば渡した時に話題にもなる。今までお土産で考えられなかったことを始めると、お土産は消去法ではなく、もっとポジティブに選択する事のできるエンターテイメントになることができると思うのです。

「世の中のあたりまえ」をお土産業界に持ち込む僕を見て眉をひそめている向きも業界内に多いのは知っています。でも、誰かがやって成功したものを後でしたり顔で真似る田舎者のバカになるよりは、先行して栄光を勝ち取るほうが酒もウマイというものです。これから「世の中のあたりまえ」は「お土産業界の非常識」という戦略でのぞみます。みんな協力してください。

ヨロピクお願いいたします。