アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

地方事業者のブランディングが弱い理由。

明日から岡山駅の改装工事が始まるのに先立ち、今日が最後で撤退するお店や、別の場所に一時避難して仮店舗で営業するお店やらの悲喜こもごも。

2年前に全12店舗でスタートしたウチも入店しているコーナーも、今日で撤退するお店で6店舗目の撤退。スタートから2年でテナントの半分が撤退したことになる。これについてはいろいろ理由があるんだと思うけど、ひとつはやはりリーシングの時点でのデベロッパー側の失敗。もう一つはテナントの商品力と発信力の欠如。かな。

店内飲食で美味しいものと、駅や百貨店の中食で美味しいものというのは根本から違う。ウチもそれで最初は苦しんだ。なんだけど、商業施設でエリア分けする意味として、消費者へのシーンの提案をきちんと詰めて置かなければいけないという必須項目を疎かにしたデベロッパーの不勉強による所も多いと思う。

料亭の味で一折り1,000~3,000円のお弁当と、ひとつが100円台のおにぎりを同じ場所で販売した場合、結果がどうなるかは分かりきっていたんだけど、それをデベロッパーは分かっていなかった。5,000円の価値のある料亭の味を手軽に楽しんでもらえるようにという3,000円の弁当と、100円のコンビニおにぎりよりも大きめで手作りの200円のおにぎり。これをどう見るかなんですけどね。

地域のお店を出店させたいという気持ちは分かるんですが、そのお店の持つブランド力と商品力と付加価値は、駅に出店したからといって一朝一夕には上がらないものなんですよ。そこはデベロッパーがきちんとサポートしてあげないと、デパートに有名なブランドが入居するのとはわけが違うんですよね。わけが。

売上があるから、地域で有名だから、友達だから、全国展開してて地力を持っているから、いろいろリーシングの基準ってあると思うんです。でも、グランドオープンがピークで、その後はダダ下がりというのは、やはりサポート不足というか、コンサルティングでも入れて個々のお店の売上げ増のモデルを描いてあげないと、地方でやってるような小さな事業者にはブランディングのノウハウなんて持っていないんだから、売上が下がったら、もう、うろたえるばかりで手も足も出ないんですよ。

ブランドのメンテナンスっていうのは結構重要だと思うんです。それは認知度の向上なのか、短期の売上のアップなのか、その他にもいろいろ必要とされることがあるでしょうけど、ひとつにはVMで売場全体のブランド認知を促すとか、個々の店舗の価格設定を合わせて、個々の店舗の月坪売上ではなく、エリア全体の月坪売上を上げるような考え方に移行していかないと、伊勢丹だの、東京駅の地下街だのを真似ても、入るテナントの地力が無いんだから、そりゃあ投げっぱなしジャーマンみたいになりますよ。後頭部強打ですよ。

まあ、前置きが長くなりましたが、本題の地方事業者のブランディングが弱い理由について。

僕が考える地方事業者のブランディングの特徴は大きく分けて以下の3点。

1)真似する

2)格好つける

3)ダサい

えっ?なにそれ?的な反応かもしれませんが、だいたいどれかに当てはまります。全部というのもあります。2)と3)は逆じゃね?という向きもあろうかと思いますが、本人は何かの真似をして格好つけているのに結果としてダサい、というのは地方ではよくあることでね、これひとつでも該当すると、気づけばもれなく3つとも該当するまで悪化する流行病みたいなものです。

で、1)の真似する。これはもうしょうがないんですよ、地方にオリジナルを作れるような能力を持った人なんていないんです。もしオリジナルを作ることが出来る人が地方にいたら、今みたいに地方の衰退なんて起こらないんですから。地方の人はとにかく真似します。海外で流行ったら、東京で流行ったら、隣のお店で流行ったら、すぐ真似します。生まれながらにゼロから考えるということをする習慣がないんです。地方の事業者は。

2)格好つける。これはまあ、地方にいるとね、数年前の東京のパクリをやってるんだけど、地方では最先端だったりすることってよくあるんで、勘違いしちゃうんですよ。地方でやってたらパクリがバレないという保護の元で自由気ままにパクリまくれます。でも、たま~に痛い人が、東京のパクリを地方でやって流行ったのを、そのまま東京に持ち込むなんて間違いをやっちゃいます。頭おかしいです。勘違いしちゃうんです。基本的にパクってるものはダサいんです。マインドやスピリットが無いんですから。ガワだけパクったものを、俺ってオシャレなビジネスしてるっしょ、というのは、あなたの周囲3mでしか通用しません。

3)ダサい。これはもう1)と2)の合わせ技的でもありますが、とにかくダサいんです。パッケージのフォントの太さからもダサさが滲み出ています。本人はオシャレだと思っていることが多いのですが、すげえダサいです。1)と2)でも言えるんですが、あんまり努力しないで成功しようとするんですよ、地方の人って。基礎力無しで上澄みだけ真似てればうまくいくと本気で思ってるところがあります。この時点でダサいんですけどね。そこに気づかない。またそれもダサい。

で、総合すると、地方の人は総じて不勉強です。コンテンツは田舎で寝ていても雑誌やテレビで情報が得られると思っているんです。だから地方には評論家気取りがたくさんいます。自分は安全な場所にいて、消費者の立場で意見するんです。俺だったらもっとうまくやれると思ってしまうんです。でもそれは間違いです。

いま世の中で価値が有るものはほとんどが首都圏で活躍する誰かが作った情報です。大きなものでも小さなものでも、人の頭で考え、人の手で作られているんです。産みの苦しみや、失敗のリスクを負った挑戦者たちが今の常識を作っているわけです。その誰かが作ったものの上に今の僕らの文化はあるわけです。いまも絶えざる努力の中で新しいものが生まれ続けています。

この新しい常識、新しい文化を作り出し、醸成し、発信するのがブランドにつながります。文化というのはガワだけ変えてOEMで作れる借り物ではないんです。オリジナルである事こそがリスペクトされる理由なんです。こういうことを書くと、全くのオリジナルなんて世の中には存在しないよ。とかいう冷めたことをいう人が出てきますが、そういう人は何もやっていない人たちです。やってみたら分かります。オリジナルとパクリには明確な違いがあります。やっていない人には到底理解できない世界です。

オリジナルとは魂です。人の魂が商品やサービスに宿ることです。だから、スタイルや外観をパクってみてもダメなんです。そこには魂が宿っていないんです。でも、そんな魂のないビジネスしか見る機会のない地方の人達は、生まれながらにオリジナルの重要性を認識できない仕様として育ちます。ここにこそ、地方の事業者のブランディングの弱さの原因があるんです。

ブランドとはすなわち不易流行。人が作り、人が育て、人が選ぶわけです。それを形にして経済に乗せたのがブランドビジネスです。さて、ここまで書くと絶望的なんですが、今後とも地方の発展を祈念しております。眠いので寝ます。