アイデアのスープのレシピ

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あきらめたら忘れたほうがいい。やめたら思い出さないほうがいい。のススメ。

今の自分に満足していない人って多いと思う。本当の自分はこんなもんじゃない、本当の自分は今の自分のような生き方をするはずじゃなかった。まあ、それはそれでしょうがないと思います。「本当の自分」というのはおそらく「憧れていた」自分の姿であって、その「憧れ」のレベルが高く思いが強いほど、今の自分の現状が「憧れ」から乖離していく残酷な時間を受け入れられないでいるようにも思う。

僕は40年の人生の中で大きく諦めたことが三つある。諦めた理由は単純なものだった、自分が足りなかったからだ。目指す事や位置に対して自分の素質や努力や結果が足りなかったので、僕は人生のポイントポイントで割とあっさり物事を諦めてきた。

僕は諦めたらすぐに忘れる。人生の大きな目標を目指すのに、その行程に時間を割いて良いのかどうか、何年も悩むわけだけれども、十分に悩んだ結果、その道を進まなくても大きな目標に向かうには問題が無く、遠回りしたとしても時間のロスが取り返せるようならすぐに軌道修正する。直近の一年がこの「取り返し可能」と判断した結果進んだ一年だったかもね。

人生の中では、何をやってもウマくいかない「停滞期」と呼ばれる時期が必ずあるのだと思う。これを勘違いして「アナと雪の女王」に感化されたOLが「ありのままで飛び出してみ」たところでウマくいく確率は低い。目の前に横たわる停滞する原因は、その先を見据えた時においては全く問題にならない場合もある。ちょっと抽象的過ぎるけど。

で、最近ちょくちょく思うところあって本エントリーを書いているわけなんですが、「憧れ」や「なりたい自分」を諦めてしまった場合、そういうときにどうすればいいか。そういうことについてあまり語られることが無いなあと。たぶんこれは「諦めた」自分をさらけ出すことに対して躊躇する人がほとんどだからだと思う。

代表的な例の一つ目が、今まで積み上げてきた自分のスキルや経験やその他いろいろの自分的無形資産がある場合、これが一番厄介なタイプなんだけど、この場合は再起ができにくい。なぜかというと、ブランクが心を蝕んでしまうからだと思う。精神的にも追い詰められ、社会が動いていくのに自分は止まって停滞したまま。友人や知人はどんどん活躍していくのに、自分だけが取り残されたような感覚に陥る。これはクリエイティブ系に多い感じがします。

クリエイティブ系の場合、諦めたら忘れたほうがいいと思います。それまで自分がやってきたことや過去の栄光も全部忘れてしまったほうがいいと思います。昔の自分のことが、思い出が輝いて見える間は停滞期を脱することが出来ません。そもそも停滞する原因の一部が、過去の自分に囚われていることだったりするからです。

もう一つの例は、転職、退職、起業で自分の状況を変えてみたが、過去に自分が在籍していた会社が成長してニュースになったり、その時の同僚が成果を上げて有名になったり、そして自分と同じように会社を辞めた仲間が起業して成功したりするパターンがあります。これは過去に関係していた人たちが輝いて見える症状です。

ネットを見ていて多く見られるのが、辞めた会社のニュースや業界の仲間や昔の同僚のニュースに反応する人。これは一見して普通のコミュニケーションのようにも思えますが、かなり危険な症状です。有名になる昔の同僚を知っているかどうかなんて、割とどうでもいいということに気づけない、あるいは麻痺してしまっていて、脊髄反射で「◯◯君も立派になったねえ」と言ったり書いたりしてしまうのです。

俺知ってるよアピールや、皮肉を言ったりすることで、強がっているように思うのですが、それはあまり良くないと思います。第一線から身を引いたら過去の職場や同僚について言及しないように心がけないと、ハタから見た場合に「俺はNASAに追われてる」と言いながら空き缶を拾う人になってしまいます。これは言いすぎですが。やってることは大差無いように思います。やめたら思い出さないほうがいいと思います。大切なのは過去のことではなく、今の自分です。

ここまで書いた例は皆「憧れをこじらせた」心の風邪を患った人たちの話し。憧れをこじらせないほうが楽しく生きることが出来ますが、長い人生ではこういったことはままあると思います。本来あるべき自分がどこにもいないという思い込みや、いまの自分は本当の自分ではないという幻想が、人を過去の思い出へと目を向かせます。

でも、変えたいのは今であって、過去をいくら眺めても、もう現状はどうにも変わらないわけです。諦めきれなかったり、忘れられずに思い出したりすることが、先に進もうとする自分の足カセになっているかもしれません。まあ、どうでもいい話なんですが、つい頭の中に浮かんだので書いてしまいました。