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アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

クリエイティブシルバーの時代がやってくる。

アイデアのスープ

オープンしたばかりのイオンモールに毎日通って仕事が滞っている秀島です。

ならず者呼ばわりされております。

ということで、なんじゃそりゃ、と思われるかもしれませんが、タイトルにもある「クリエイティブシルバー」について。

いま、ご近所さんで二人のご高齢(僕の父母と同世代)の方の創作活動をお手伝いしていて(自分の仕事しろよ)、いろいろと考えることがあったので、ちょっと書こうかというしだいです。

「クリエイティブシルバー」ってなによ?ということですが、これは創造性が豊かな、創造的な感性を持ちあわせている、意欲的な高齢者という意味で僕が作った造語です。検索しても出てきません。流行語大賞の時には壇上に僕を呼んでくださいね。

で、具体的にどういう人物像か、わかりやすい例で言うと、カルチャー教室に通い陶芸や書道や絵画や手芸全般など、創作的な趣味を持つ方なんかを思い浮かべてもらうといいかもしれません。しかし、ここでいう「クリエイティブシルバー」とはそういった人たちの少し先に位置する人たちを指します。

カルチャーセンターというパッケージングされた「創作趣味」の場であれば年金や小遣い程度で楽しめて、老後の時間の過ごし方のひとつとしてよくある光景なんですが、この他人から与えられた場や、他人から与えられた手法や教材の範囲を飛び出して、独自の創造性を発揮しようという向きがあります。それが「クリエイティブシルバー」です。

実はこの「クリエイティブシルバー」は昔から存在していました。そしてそれを利用したビジネスというのも古くからあります。お分かりの方も多いと思いますが、わりと問題の多い「自費出版ビジネス」です。自分史編纂や自分の人生を通して世の中に伝えたいことを本にしたい、という欲求を巧みに利用した高額ビジネスのひとつです。

「クリエイティブシルバー」の創作対象は極めて私的なコンテンツであることが多く、個人的なメッセージ性が強かったり、地域の過去をさかのぼった郷土史の編纂など、商業的な利益の追求に繋がりにくいものが多いのも特徴です。

しかし、カルチャーセンターで趣味で絵手紙を描くのと大きく違うのは、描くことで満足するのではなく、より多くの人に見てほしいという欲求が強いことです。でも、その欲求は、若者にありがちな承認欲求とは少し違い、認められるために創作するのではなく、有り余る時間の中で爆発的に増えていく自己内コンテンツを排出していこうとする生理現象にも近いものです。

「クリエイティブシルバー」とは、趣味と仕事の間に位置するピュアな創作活動とも言えます。なんですが、ですが、ここに大きな問題が潜んでいることが、これから大きな社会問題になっていくのではないかという予感がするんですよね。

趣味と仕事の大きな違いは、それでお金を稼ぐかどうかです。趣味というのは日常と離れた創作活動をするにあたっての方法を学ぶことから始まります。対して仕事というのは方法や手法が身についている前提でビジネスとして技術やノウハウを換金することです。

一方、「クリエイティブシルバー」はというと、手法や方法を学ぶわけでもなく、仕事としてビジネスを成立させることも目論んでいない、第三の創造主である特性を持っています。簡単に言うと「やり方はわからないけど、これを作りたい」というクリエイティビティ(創造性)が人を介して降臨した現象とも言えます。

「クリエイティブシルバー」はとにかく多作です。少し目を離すと膨大な作品が出来上がっていたりします。なぜなら時間が有り余っているからです。しかし、創作物を人前に出すための方法が分からないために社会やコミュニティに排出されず自己内に堆積していきます。これがフラストレーションとなるのです。

この高齢者のフラストレーションが、第二第三の自費出版ビジネスの闇を生み出すのではないかと危惧しています。ソーシャルゲームと同じく、イライラをお金で解決する層というのはかなり存在していると思います。

クリス・アンダーソン氏の「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」にあるように、3Dプリンタで創作しようにもモデリングしてSTLファイルを書き出すことなんて高齢者にはできないのです。

言い換えれば、ここにビジネスチャンスがあるとも言えますけどね。

ただ、高齢者向けにUIを簡便なものにしたらそれで利用者が増えるかといえばそうでもないのが実情だと思います。「クリエイティブシルバー」はとても面倒くさがり屋さんです。多くが頭のなかに浮かんだものがすぐに形になることを望みます。

しかし、問題なのは、成果物がビジネスになり得ないため、創作自体にコストが発生しているにもかかわらず、コストが回収できないことだと言えます。完全に自費出版ビジネスと同じ構図になりそうです。

で、ものは作りたいけど、金は使いたくないという「クリエイティブシルバー」が向かう先は、そう、僕のような近所のパソコン先生です。お世話になっている方だったりするので僕は楽しくやってますけど、知り合いから紹介されたという感じで「これを作ってくれ!」と来られたらどうでしょうか。お金取れます?

性質としてはCtoCになると思います。このへんをランサーズみたいな感じのところがマネタイズしていけば、また炎上や殺人事件に発展して、夕方のニュースを賑わせるんでしょうかね。ゲートボール殺人事件みたいに。

「モンスタークリエイティブシルバー」の登場も、もはや時間の問題でしょうね。

まあ、そんな感じです。

今日はさわりまで。

で、この「クリエイティブシルバー」、いささか文字が多いので今後は「クリシル」と略してはどうかと思います。

「クリ汁」と書いてはダメですよ。