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アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

「自分のやるべき仕事」と「ビジネス」とは違うと思っている。

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ということを書くと、「甘いね〜」とか「大人になれよ」とか言われるわけですが、最近はネットで若い方が「ブログの収益」とか「ビジネスの視点」みたいなことを中心とした経験談が書かれているのを多く目にします。

僕は若いころもオジサンになったいまでも馬鹿ですが、いまの若い方はすごく賢いと思うんですよね。方法論をよく学び、結果を出すための最短ルートを素早く見つける。そして少し成果が出たらすぐさまブログやSNSで発信、それがバズってまた次へのモチベーションにつながる。そういう良いサイクルが完成されているように思います。

ネット上のビジネスはリアルビジネスと基本はさほど変わらないと思います。お金を払ってくれる人がいて、商品やサービスを提供する人がいる。それだけのことです。お金の流れが商品やサービスの対価なのか、広告収益なのか、そういう違いはあっても、基本は同じ。BtoBでもBtoCでも基本は同じ。

 

自分の仕事を追い求める

僕は若い頃から頭を打ちながら生きてきているので、オジサンになったいまでも自分の仕事というものが完成していません。方向性は24歳ぐらいの時に頭に思い浮かんだことをひたすらに追求しているだけなのですが、なにせ経験もなく技術も資本もないままに突き進んできたので、20年近くただひとつのことを追い求めて、その過程において必要だと思うことをひとつひとつ事業化しているわけです。

なので、何かをやろうとするとまずが独自の技術を開発し、それで稼ぎながら技術と手法を完成させ、ある程度見えてきたら次のステップの準備をしてまたゼロから新しい技術や手法を開発する。その繰り返しです。面倒くさいのですが、ステップを飛躍して最終目標を達成するには資金や人材、そして僕の資質も全く足りません。

地方でお土産に参入する場合、設備や販路や人材や人脈など、ゼロからスタートだと相当キツイです。市場調査をしたところで何の役にも立ちません。生まれやコネがモノを言う世界で僕は負けましたが、それはハナから分かっていたことで、でもどうしてお土産に参入したかといえば、それはもう「その時、自分のやるべき仕事」だったからと言うしかありません。

昨今の「成功」に向けて「直線的」に進む考え方とは違い、負けるのは分かっていてもそこに突入して学ぶという泥臭いことをしなければ、自分の身体に感覚を叩き込めないタチなので、今回のように敗走の準備をしながらも次の仕事の段取りをして、なんとか食いつないでその先に蜃気楼のように浮かぶ最終目的地に向かって一歩一歩進むしか無いわけです。

 

誰かの背中を追いかけることはしない

ビジネスという視点で語られたものは嫌というほど転がってます。そういうのはもうネットの海にはゴマンと書かれていると思います。でも、成功者から学ぶ、成功者の背中を追う、というのは、なるべくしないようにしています。

もし、今の自分を誰かと比べて遅れているからといって、他人の水準まで引き上げるための努力をしても、それはビジネスとして成功すれども、自分のやるべき仕事としては遠ざかってしまうことが多くあります。

誰かと比べて遅れているということは、もしかしたら自分のやるべき仕事ではない可能性が高いと思うのです。単純に向いていない可能性も。それなのに努力を重ねてやっと誰かと肩を並べる水準まで成長できても、目標とした誰かはすでにはるか先に進んでいると思います。

それって、たぶん、自分を生きているとは言い難いのではないでしょうか。

 

本やブログに「やり方」は書いていても「生き方」は書いていない

会社を経営していると、耐え難い状況に何度も直面します。時には生きるのが嫌になることすらあります。そんなときに、自分の仕事が「誰かの借り物」だったとき、心が折れずに耐えられるでしょうか。どうしようもない状況に追い込まれた時、「誰かの借り物」の知識ではたして切り抜けられるでしょうか。

成長曲線に乗るまでの道程、または成長段階に乗っているときはいいんですよ。ただ、自分がニッチを狙って借り物の知識で成長したとすれば、必ずや競合に脅かされる時がきます。大手が参入することもあるかもしれませんね。そういうとき、勝負に挑めるでしょうか。

会社の経営というものは、最後は経営者の生き様にかかっているような気がしています。ネットのニュースでは上場やらバイアウトやらそういう一部のことしか書いてませんが、世の中には「計画倒産」や「負債飛ばし」などの経営者の判断の結果が路傍の石ころの数ほどあります。

会社の始まりは多くは経営者(創業者)の想いでしょう、そして、会社の終わらせ方も経営者の考えひとつです。会社が危機に陥った時、会社を終わらせないといけない時、経営者の人間としての本当の資質が問われます。それはコンサルも教えてくれないし、ネットにも本にも書かれていません。

 

「自分のやるべき仕事」と「ビジネス」とは違うと思っている。

僕のやっているのは「自分のやるべき仕事」であって、昨今語られる「ビジネス」とはニュアンスが違っていると思っています。「ビジネス」であれば失敗することが分かっていても突撃したりしません。稼いだ金を幼なじみの家の神社のお祭りに突っ込んだりしません。

僕の仕事は、お世話になった人への恩返しのために立ち上げる事業もあれば、亡き母を弔うための事業もあります。若いころに夢見たものを形にするための事業もあれば、若き日に仲間と語り合ったことを実現するための事業もあります。そういう、自分の身近にある関係性こそが僕の「自分のやるべき仕事」を生み出す源泉です。

世の中に「ビジネスの種」はいくらでもあるでしょう。でも、自分にしか思いつかない、自分がやらないとこの世に生まれなかった仕事、そういう「自分の生き方」を仕事にするというのも、悪くないと思っています。

 

冒頭の写真はおでん風煮物です。