アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

ウナギの絶滅と、ウナギしか食べるものがない問題

f:id:kocb:20180306232822j:plain

 

昨今はウナギを食べると、絶滅に加担しているとか言われる世の中になったわけだけれど、なんでウナギを食うのかというと理由があるんですよね。どっかのインターネッツでウナギ消費の大半が高齢者だというのもあったので、そのへんをちょっと。

今の日本には、ある一定以上の年齢になると、商業施設のレストラン街などでウナギ以外の選択肢がなくなってしまうという問題があるんです。どういうことかというと、国内のどの商業施設に行っても若年層とファミリー層向けのコンテンツしかなくて、中高年に最適化された食の提供が絶滅してしまっているので、しかたなくウナギを食うし、だからウナギ食をやめられないし、結果としてウナギの提供もやめられないということにつながっているのではないかと思うんです。

出張で地方に行くときに、電車の乗り継ぎなどでターミナル駅のレストラン街で食事を済ませようとしたら、見事に若年層向けのキラキラ飲食コンテンツと親子三代で楽しめるファミリーレストランのような店しかない。 そういう時にウナギは便利なんです。

 

歳を取ると外食の選択肢は極端に狭まる

歳をとるとキラキラしたお店で食事を済ますことがストレスにもなるし、メニューもf1層向けばかりなので、選択肢が無くなってしまう。仕方ないので和食系を探すのだけど、最近はまともな和食の店が商業施設に出店していない。和食以外とか腹がもたれる。さりとて出張の乗り継ぎにポールボキューズでもないだろうし。

これはリーシング時点の問題であるのだけど、商業施設への出店はデベロッパー側にも出店側にもリスクが伴うんですよね。僕も商業施設への出店を経験した身として、これは痛切に感じます。商業施設に出店している飲食カテゴリーと実際の需要はアンバランス。飲食店は設備にコストがかかり過ぎるので、どうしても客が求める店ではなく、店を出せる体力のある企業の提案をのむしか選択肢がないのが実情です。

リーシングとは、客の求める店を誘致する事ではなく、出店リスクを受容できる体力のある企業の説得だから、手っ取り早く流行りで消費してくれる層に訴求していかないと採算が取れないという現実とどう向き合うかというのもある。

たとえばスーツ姿の中年の男が数人で昼食をとるとします。メーカーと地方の代理店など立場が混合していてみな年齢は40歳以降。イタリアン食うか?ファミリー向けの安っぽい和食食うか?回転寿司食うか?脂っこい中華レストラン行くか?キラキラのインスタ映えする店を選ぶか? そう、ウナギしかない。ウナギ一択になってしまう。

たとえばちょっと金に余裕のある60代の女性が数人で昼食をとるとします。同級生なのかカルチャースクールなのか、そういう関係。イタリアン食うか?ファミリー向けの安っぽい和食食うか?回転寿司食うか?脂っこい中華レストラン行くか?キラキラのインスタ映えする店を選ぶか? そう、ウナギしかない。ウナギ一択になってしまう。

いちばんカネを落とす層が行く店が無い。ある程度金を払ってもいいから落ち着いた空間でゆっくりと食事をとりたい。複雑なメニューは選ぶのに苦労する、メニューの選択肢は単純な方が良い。好き嫌いのでない程度の平均値を取った嗜好が良い。そうなるとどこで食べる?

そう、ウナギしか無いんです。

早晩ウナギは絶滅するかもしれない。でも、みなウナギを食べ続けると思う。なぜなら、ウナギしか選択肢がないから。