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アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

経営者と広報担当者の視点から見る炎上とPRについて

アイデアのスープ 広報 炎上 PR

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いま新しい売り場のカウンターを作っているんですが、ちょっと手が空いたので忘れないうちに書いときます。本当は図示とかしたいんですが、それはまた時間ができたら書きます。

 

ウチはネットでプレスリリースを打っています。プレスリリースを打っても、それが記事になってニュースサイトに載るかどうかは分かりません。毎月プレスリリースをネットに流すのに毎月10万円近くをリリース配信会社に支払っているんですが、それは配信のプラットフォームの使用料というだけで、実際にニュースサイトやテレビや雑誌などの媒体に掲載されるかといえば、答えはNOです。でも、ウチはまだマシな方で、ニュースサイト掲載は打率3割以上、テレビ取材が打率1割以上という高確率だったと思います。

なんですが、今月半ばでそのプレスリリース配信の契約を終わらせました。ブログメディアでの発信に切り替えるためです。それではてなブログに引っ越してきて、1週間も経たないうちに初炎上を経験したわけです。

 

プレスリリースはニュース化されないのがあたりまえ

しかし世の中にはプレスリリースを打てども打てども全くメディアにかすりもしない会社も多くあるわけで、プレスリリースを打つたびに「具志堅用高が取材に来る経済雑誌の取材依頼」と称して高額な掲載料が掲示されたメールがバンバン送られてくるという、よく分からない状況に陥るのが大半でしょう。

それをまあ、確実にメディアに載せますよと謳って掲載料をとるのが昨今問題になっている「ステルスマーケティング」や「広告記事の広告クレジット外し」とつながっていくわけですが、ウチにもそういったお話しがたくさん来ます。50万がスタート、テレビだと300万〜成功報酬というのもあります。このあたりのことについては山本一郎さんの言及が一番詳しいと思うのでリンクを。

bylines.news.yahoo.co.jp

 

僕は社長1人会社みたいなものなので、商品を作ったら広報や製造のライン作りまで1人でやります。人員を製造に多く割くために営業を行わないスタイルなので、広報活動が実質の営業活動となります。ですからプレスリリースでいかにメディアに掲載していただくかというのが僕の手腕によるところとなり、この結果によっては売上の額も何倍も変わってきます。

それに、取引先からも「あの炎上してた商品持ってきてよ」とか、「あのテレビに出てた商品扱わせてよ」といったふうなご依頼も多く、最近では九州のテレビ番組で商品が紹介されて、それが発端となって九州エリアの食品スーパーのチェーン30店舗で商品を取り扱っていただいたこともあります。

そういう広報担当者でもある僕の立場からPR(パブリックリレーションズ)と今回の炎上を比較してみて、炎上の構造とPRの違いについて少し考えてみました。

 

ネットにおけるPR

まず、ネットにおけるPRというのはネットニュースに掲載されてナンボという前提で話を。僕がネットにおけるPRの成果を見極めるひとつのポイントとして、ネットニュースに掲載され、それがどれくらい「バズる」か、というのをひとつの基準としています。

これは「よし!商品やサービスを作ったからプレスリリースを出してニュースサイトに掲載してもらおう!」というのではなくて、最初からネットニュースに掲載してもらいやすいように、商品やサービスの企画段階からPRを意識した設計を心がけています。ですから「ネットニュースに掲載されるにはどういうサービスがいいか考えよう!」となります。ケツから追っていく作り方ですね。

最初の段階でネットニュースの傾向を調べておいて、そこに穴があればそれを埋めるような商品やサービスを企画・設計します。そうすることで、狙ったところにズドンと届くプレスを打てるわけです。でも、いつも成功するとは限りません。ステマやクレジット外しと違って、掲載されるかどうかは記者の方の琴線に触れるかどうかで決まります。

最近でPRが効いた結果としてニュースサイトに掲載されバズった事例を紹介します。これは最初からガジェット系のサイトを狙い撃って作ったWebサービスです。このサービスについてはつい先日もテレビ取材を受けたばかりで、これについてもすべて広報力のなせるわざと言えるでしょう。今後数年で事業化できるかどうかと思っています。

weekly.ascii.jp

nlab.itmedia.co.jp

 

ネットにおけるPRの欠点

ネットにおけるPRのひとつの一里塚としてニュースサイトへの掲載とバズることを挙げましたが、これにはひとつ大きな問題点があります。それは読者がニュースサイトを読んだだけで満足してしまい、商品やサービスのランディングページまでアクセスが流入してこないことです。

上記で挙げたニュースサイトからのアクセスの流入は、全体でいうと10%以下。ニュースサイトにブクマが250、いいね!が2,500ついていても、ランディングページまではほとんど流入してこなかったわけです。

情報の拡散という意味ではニュースサイトへの掲載はすごく強力なのですが、アクセスが上空で旋回しているだけで降りてこない、実際にはニュースソースとなってサービスへの誘導にはならないという感じではありました。これがネットにおけるPRの最も大きな問題点なのではないかと思いました。

 

炎上はマイナスか?プラスか?

今回の炎上をPRを比べること自体がナンセンスだと思われるかもしれませんが、ランディングページへのアクセスの流入という観点から観ると、PRによってニュースソースとして拡散し、アクセスがニュースサイトで止まってしまうよりは、炎上で直接ランディングページまで誘導したほうが効果が高いのではないかと思ったりします。

PRによるアクセスの流入は「好意」を持った人たちばかりであり、サービス利用や商品購入のコンバージョンも高く、短期間で勝負がつき、また同時に短期間でアクセスも減ります。

しかし炎上の場合は、大半が「悪意」を持ったアクセスでありながら、しかしその中に少数であるが「好意」を持ったアクセスもあり、つまり玉石混交のアクセスとなるわけです。ということは、炎上した場合は火消しに走るよりは玉石混交のアクセスの中から、いかに「好意」を持ったアクセスを見て欲しいページに誘導するかということなのじゃないかと思いました。

炎上はマイナスか?プラスか?と問われれば、99%のマイナスと1%のプラス、そしてその1%のプラスをいかに大きな成果に持っていくかというのが求められるのではないかと思いました。

なんですが、今回の炎上は、僕がいつもの感じで書いたブログ記事を、あんまり僕に慣れていない人が読んで言葉尻やニュアンスや、言葉の表現をあげつらって炎上に持ち込んだ感じなので、全ての炎上がこれに当てはまるわけではないというのは書いとかないといけないと思います。

 

経営者から見る炎上

経営者のほとんどの人が「炎上」についてネガティブな印象をもっていると思います。それは、それまで築き上げた会社のイメージが一瞬で壊れてしまう恐怖だと思います。先般の五輪エンブレム事件についても、才能ある人物が寄ってたかって袋叩きに遭い、それまで築き上げた輝かしいキャリアをすべて崩壊させられたという事例を見たばかりです。

悪意のある人の拡散力と、好意のある拡散力とでは雲泥の差があって、悪意の拡散力は膨大なパワーを持っています。いっぽう、好意の拡散力というのは非常にパワーが微弱。感動モノの拡散のアクセスはバズ系の転載サイトに全部持って行かれ、残った悪意の矛先は世の中の全てが対象となります。

経営者の立場から、というか、今回の僕の立場からいうと、数日後に新しい売場がオープンする、それまでの主力商品とは全く異なる商品なので、スロースタートを切ってゆっくりとやっていくのかなあと思っていたところに、思わぬところから炎上の火の手が上がったため、これを利用して少しは情報を拡散できるかな、とわりと軽い気持ちで自ら炎上に乗ってみました。

今回の悪意から始まった炎上も、30時間ほどで鎮火し、好意のアクセスは思ったよりもかなり多く、初動の遅れも取り戻せて、さほど延焼もせず、という結果となりました。これを今後も広報に利用しようとは思いませんが、せっかく炎上したのなら、どうせ悪意のアクセスが押し寄せてくるのは目に見えているわけだし、玉石混交の中で少しでも多くの好意のアクセスを掴み、そしてより良く知ってもらうための導線を引いてあげたほうがいいんじゃないかと思います。

 

まだ途中ですが、

ちょっと仕事に戻ります。

 

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【お知らせ】
2015年10月31日、焼き立てグランパーニュが買えるお店がオープンします!
当日はいろいろご用意してますので、みなさまぜひ!!