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アイデアのスープのレシピ

ナショナルデパートが作られる現場のレシピ

グランバトンの新パッケージ

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東京に戻ってきて一年経って、やっと市場志向の呪縛から開放されたようで、自分の中でのロジックに沿って物事を考えて形にするという作業が始まったような気がするんスよね。

グランバトンの新パッケージからは素直にそれが出てて、左端のデザインは一見モードの様を見せているけど実は江戸時代の組子文様をそのままフォーカスしたもので、過去にはこの文様を改変したものがGUCCIのコレクションにも使われたことがある。

右側に四種類並んでいるのはランダムの三角文様のデザインで、最終的に決まったのは右端の案。左から右に順番にブラッシュアップしていっているんだけど、これも江戸時代に描かれた屏風絵を三角形分割したドロネー図から求めた図案で、左から三角分割、点を表示したもの、点と線を有機的につなげたもの、右端はそれを見やすく図案化したもの。

左端と右端の二点が最終的に採用されたわけだけど、両方共モティーフは江戸時代の組子文様や屏風絵だったりする。古いものから新しい要素を取り出して再構成するというテーマは自分の中でずっと持ち続けていたものなので、市場志向の考え方にどっぷりと浸かっていた時期ではこれは作れなかったかもね。

今回は手作業でやったけど、これらは今後はアルゴリズムによる処理で置き換えられる。一部印刷業界ではAIによるデザインパターンの量産も可能になっているわけで、コンペティターでなければ、今後は人間が方向性を与えてあげるだけで出来上がってくるデザインという可能性もあるんだと思う。

 

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ちなみにグランバトンというのは発酵生地で仕上げた和菓子で、ナショナルデパートのオリジナルです。ドイツ菓子のみなさまご存知のシュトレンのアンザッツ法という製法を用いたバターリッチな生地で、アーモンドクリームと白あんをミックスしたフィリングを包んで焼き上げています。粉糖をまぶすのは洋菓子手法ですが、包むというのはももたんでも使った包餡という和菓子の手法です。

しっとりした和菓子という要素と、日持ちするドイツ菓子の要素を併せ持つハイブリッド菓子ですから、日を追うごとにしっとりしていき、しかも賞味期限が長いのです。種類はキャラメル味とシュトレン味の二種類があります。新パッケージは3月29日から始まる新宿伊勢丹の催事で販売開始です。