昨日から製造し始めたラスクですが、時流に合わせてあっさりした味を出してみたんですが、甘すぎないという考え方は僕には合わなくて、どうもしっくりこないですね。今日はちょっと考え方を変えてリッチでしかもこゆい味わいというラスクを試作して見たいと思っています。昨日製造したラスクは試作品として半額で販売します。東京店でも販売しますので、幻に終わる「あっさり」ラスクを食べてみてください。
しかし、ラスクに求められている味の限界値ってどのあたりなのか、ガトーフェスタハラダのラスクは焼くというよりも乾燥させる行程を長く取っているはずなので、軽い口当たりと軽い風味がウケているんでしょうね。ということは世間に背を向けるナショナルデパートとしては、ごっつい濃い味わいのラスクを作ってみたいというのがありますね。
ウチが以前(5年前?)にやっていたラスクは濃かったですね。でもあれでは行程に手間がかかりすぎて製造数が追いつかないし、今のスタッフの人数では到底こなせません。手間に対して味の効果が出ていたかと問われれば、そんなに手間が味に反映されていないのではないかと思うのです。リールオーブンで大量生産されているラスクに勝つには、やはり味の限界値を求めていくしかないんでしょうね。ラスクというよりもカンパーニュを使った新しいお菓子を作るという考え方にシフトしなきゃ、ラスクが「余りモノ処理」という業界通念から逃れられないでしょうね。
まあ、週末には完成させたいです。今月中には女王製菓も製造したいし。あ、そうそう女王製菓ですが、今回は3年前に発売した記念すべき第一章第一話「夜の静寂(しじま)に妖しく香る赤い薔薇」がリプロダクトされる予定です。薔薇の香りのするケーキ生地でミルクの香る白あんを包んだ未知の世界。この味から女王製菓は始まったんですね。ちなみに女王製菓の商標はワイフの誕生日2月14日に出願したんですよね。思い出深い申請作業でした。
さあ、ラスクの研究でも始めますか。