私はコンプレックスというものがないんです。
客観的に見ると、外見はデブでハゲでどーしようもないオッサンなのですが、本人にとってみれば鏡を持ち歩いて見ているわけではないので、生きる上で外見のコンプレックスというのは感じないわけです。
コンプレックスというのは他者と比べることで発生する目に見えないものなので、気にしないということで発生を抑えることが出来ます。私の基本的な考えとして、目に見えない、実態のない、手で触ることのできない、自分でコントロールすることが出来ないことに対してあれこれ詮索しないという自分ルールを持っているので、コンプレックスというものが発生する土壌すらないわけです。
おいデブやせろや、
ヅラでもかぶれや、
という声が聞こえてきそうですが、、、
もし、私の外見で不快な思いをしている人がいたらごめんなさいね。
だがしかし謝るけど正さない、これが心を正しく保つ秘訣ですが。
私はプライドを振りかざしたことがないんです。
私は高校中退&大学中退という輝かしい学歴の持ち主なので、とくに学歴によるプライドも持ち合わせておらず、そういう学の必要なことは頭のいい人に任せて、私はせいぜい小銭拾いなどの汚れ仕事をして食っていけたらいいかなと思っている程度です。
プライドというのも他者と比較して自らの心の安定を果たす役割しか持っていないような気がするので、他人と自分を比較するとどのパラメーターを捏造しても他人には勝てないので、自分と他人を比べるようなことはしないです。
プライドを可視化するとなると、他者を貶すということになるだろうと思うので、プライドを振りかざさないというのは、
自分は他人よりもデキる男だ!
自分以外はみんなカスだ!
とか言わない&考えないことだと思います。
とはいえ若い頃はけっこうトガっていましたので、わりと攻撃的に生きていたような気もします。でも、まあ、歳取ると自分も平凡なオッサンだなあと気づいてきて、まあ、俗に言う「丸くなる」という加齢現象が起こるわけです。
プライドとコンプレックスは心の防御
で、まあ、このコンプレックスとプライドというのは相互に密接な関係をもっているようでして、コンプレックスというのは自分の心の中に除去しきれない劣等感をこびりつかせてしまうんでして、これがじつに厄介でして、小さな子供の頃に芽生えた劣等感がいい年の大人になっても除去しきれずに拗らせている人も多くいます。
コンプレックスを拗らせると、他人がキラキラ見えてしまいます、こうなると自分がなんて惨めで薄汚い存在なんだと劣等感に苛まれるんです。これだと心は健康に保てませんよね。プライドというのが保てません。そこで心がこれ以上傷つかないように防御策を立てて実行します。これが他者への攻撃です。
他者への攻撃と言っても、直接的に他人に対して暴言を吐くとかそういうことだけではありません。自分の心の中でこう叫びます。
アイツは自分より劣っている
アイツより自分のほうが上だ
自分より下に見えるポイントを見つけたら、ピンポイントでそこを見下すことによってプライドを保とうとするわけです。たとえば学歴、収入、持っているブランド、住んでいる場所、なんでもいいんです、自分の心の平穏が保たれれば、自分以外の誰かのどこかの粗探しをして溜飲を下げます。
もうひとつプライドを保つために発動する行動として、◯◯が悪い、私は正しい、という強固なシールドを構えるというのもありますね。自分が劣等感を抱くのはおかしい、社会が悪い、上司が悪い、教師が悪い、友達が悪い、家族が悪い、環境が悪い、生まれが悪い。。。まあ、いくらでも出てきます。なんせ、コンプレックスによる劣等感に追いつめられた人はプライドが肥大してしまうので、とにかく自分は悪くない、自分は優遇してもらって当然だから優遇しない世の中が悪い、というふうにプライドが地球規模に肥大していきます。そして最後は膨らみすぎた風船のように。。。
あとは分かりますよね。
普通に生活していたら他人を攻撃しようなんて思いません。でも、他者と自分を比べ始めたときから魔の手は忍び寄ってきます。
街を行く人の着ているファッションを見て、「あ、あれ可愛い」のあとに続く二の句「でも高いんだよなあ私は買えない」のあと「あのブスには似合ってないよね、わたしのほうが似合う」という些細な心の言葉の発生、他人の持ち物を羨ましく思い、高価で自分には買えないという劣等感、そして容姿を攻撃して満足する。
これもコンプレックスとプライドが生み出す攻撃の萌芽なわけです。
プライドとコンプレックスの攻撃力はすなわち本人の心の弱さです。
自分の心の弱さを認めたくない、誰かのせいにして劣等感を忘れたい、誰かの粗探しをして自分を認めさせたい。誰かと比べて誰かに勝ちたいという心こそが、自分を追い詰めてしまっていることに気づかないものです。
私はプライドもコンプレックスもあんましないので無縁な話ですが。