たまにはパン屋さんらしい記事を書こうかと。
たまたま流れてきた動画が素晴らしかったのでご紹介。
【追記】
ちなみにこれが僕。
牛の内臓や血を混ぜて焼いた、肉の味がするパン「グランパーニュ・ヴィアンド」を手にして雄叫びを上げています。しかし、まだまだ精進が足りません。
パン屋にかぎらず、飲食店などでは人手不足が深刻で、僕も、次の店の営業スタイルをどうしようかと思案している最中。ただパンを焼いて売るだけでは今の世の中では差別化ができません。ですから、パン屋さんもいろいろな努力をしています。
そんな中、フランスからとんでもないパン屋さんのニュースが届きました。
フランスの、のどかな田舎町の風景が映っています。
映画に出てくるような風景です。
そんなさびれた田舎町の中にぽつんとある小さなパン屋さん。
赤い鉄の扉に書いてあるフランス語は、
BOURANGERIE(ブランジェリ)は、パン屋さんという意味。
PATISSERIE(パティスリー)は、お菓子屋さんという意味ですね。
こんな田舎町のちいさなパン屋さんなのに、大行列ができています。
さぞかし美味しいパンが焼き上がっているんでしょう。
店内に並ぶパンの様子です。
日本でもお馴染みのクロワッサン、しかし、その値段に驚きます。
ひとつが12ユーロ、ということは、日本円でなんと1,568円!!!
しかしお客さんは値段のことは意に介さず、とても楽しみにしているようす。
さぞかし美味しいんでしょうね。
つぎはブリオッシュ。
よく焼き込まれています。
しかしこちらも値段は52ユーロ、日本円で6,798円!!!
そしてタルトなどが並ぶショーケースへ。
しかし値段は43ユーロ。日本円で5,621円!!!
でも、見た目は何の変哲もないふつうの焼き菓子です。
謎は深まるばかり。。。
しかしこのお店、いくらフランスとはいえ、パリの中心部ではないんですから、いくらなんでもこれは高いとしか言えません。なにか特別な素材を使っているようにも見えませんし、田舎町のパン屋で、どうしてこんなに値段が高いのに行列ができているんでしょうか。
と、、、映像が進むと。。。
あら、い〜ですね〜。
美女が裸にエプロンを着けて接客しています。
バゲットを紙袋に入れる仕草さえも意味深に見えてきます。。。
そして会計を済ませると、客は美女とともに隣の部屋へと。。。
しかし、裸にエプロンとはなんとギルガメッシュなんでしょうか。
客も背中を丸めて嬉しそうにしています。
これがこの店の秘密だったんでしょうか。
すると厨房の奥から立派なヒゲをたくわえたシェフが登場。
ん?、この方まで裸にエプロンなのか???
さすがにいらないと男性客。
さっきの美女は別の客と別室に消えてしまっています。
ん?なに?他は?
完全に裸にエプロンです。
しかしこの自信に満ちた表情。見習わなければいけません。
すると年配の女性客。
私いただくわ。
年配の女性客が厨房に消えていくのと同時に、別室に消えていった美女と男性客が店内へ。
すごく笑顔です。
男性客の笑顔と、手に持ったバゲットのギンギンにそそりたつ姿がなにかのメタファーなんでしょうか。いろいろとたまらない動画です。
動画はこちら。
まあ、ジョークなんでしょうが、面白かったです。
日本でもひとつが数千円とか1万円の食パンとか一時期流行りましたね。◯◯産の◯◯を贅沢に使用とか、そういうふれこみで高級食パンが飛ぶように売れたらしいです。日本では、人の技術というのが軽んじられるので、高級な素材を使ったものに価値が偏重します。
高級な素材を使っているから、この商品は高い。というのは理屈の上では通ってます。高い値段が取れるし、客も納得してお金を支払いやすい。一般的に高いとされているものに金を払うのは、消費者として自分の責任を放棄していることなんですけどね、だから、技術に金を払わない国民性が養われたのでしょう。
この動画を観て感じたのは、差別化ということについての多様な視点ですね。昔カフェをやっていたとき、うちのアルバイトが全員美人だと有名でした。歯科衛生士さんなんかも、見た目がキレイな方が就職に有利だという話を聞きました。理由は、キレイな方が患者さんが喜ぶでしょ。ということだそうです。そういうの、いろいろ賛否はあるかもしれないけど、理にかなった単純な方法なんですね。