21世紀における「アンゴルモアの大王」とも呼ばれ恐れられている、高齢者が運転するハイブリッドカー。そんな恐怖の大王が、あなたが運転する車の前に無理な車線変更で割り込んできた時、あなたはどう思うだろうか。
高齢者とハイブリッドカーは人馬一体。
右折車線から3車線を直角に横切って左折レーンまで車線変更するとか、
センターラインの無い細い裏道のど真ん中を時速30kmで走って対向車線を巻き込んで大渋滞を引き起こしたりとか、
ショッピングセンターの駐車スペースを二台分使って斜めに停める。
もしかしたら、あなたは社内で悪態をついているかもしれない。信号待ちで隣りに並んだ車の運転席を見て、ハンドルを握りしめ、前だけをじっと見据える白髪のシルバーエイジに一瞥をくれているかもしれない。そんなとき、
「クソジジイ、はやく免許を返納しろよ」
とか言ってはいけない。
なぜなら、高齢者の乗ったハイブリッドカーが目の前に現れた時、本当の自分が試されるのだから。
高齢者の運転するハイブリッドカーに悪態をついてストレスを溜めるのは、ドラクエで言うと不思議な踊りでMPを吸い取られているのに近い。真の高齢化社会の意味とは、われわれ現役世代の寿命と引き換えに、彼らが永遠の命を得ようとする銀河鉄道999。壮大なドラマだ。
彼らにたいしてストレスを溜めて寿命を吸い取られるまえにやってほしいことがある。高齢者の運転するハイブリッドカーが目の前に現れたら、こう思うようにしたらいい。
「ウォーボーイズ。。。」
「ここは怒りのデスロード。。。」
彼らはマッドマックス、彼らが車窓から見ているのはアスファルトや街路樹ではない、広大な砂漠だ。

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自分が走っているのは怒りのデスロード、ハイブリッドカーの高く響くモーター音は、鉄の馬を駆る高齢者がヒャッハー!!という雄叫び。マッドマックスの世界ではスーパーチャージャーだったのが、テクノロジーの進化でハイブリッドエンジンになっただけのこと。
高齢者は反応速度が遅いとか、身体の動きが鈍いとかどうとかではない。彼らは自分に対してまっすぐに生きているだけ。自分を守るために法を破り、道徳を踏みにじり、殺戮を犯す荒くれ者。信号無視なんて物の数にも入らない。
しかし、彼らだって生まれながらの悪じゃない、悪いのはこの荒廃した社会だ!!
「V8!!V8!!V8!!」
次回は、
他県ナンバーのプロボックスに背後にピタッと張り付かれた時、
を書こうかと思います。